登録商標の取り消しは一般的に難しい傾向にあります。しかし、取り消しを行うための証拠を揃えることができるなら、取り消しが認められる確率が上がるでしょう。こうした難易度の高い業務にも坂本国際特許商標事務所は精通しています。
所長を務める坂本氏は弁理士会の元副会長で、特許庁知財アクセラレーションプログラム(IPAS)知財メンターを務めるプロフェッショナル。特許庁の審査官、審判官の経歴がある方々もそろっており、商標の取り消しに関する審査方法にも精通している事務所です。このように、商標の取り消しの確率を上げるためには、商標取消実務に精通した弁理士に相談することをおすすめします。
自社の登録商標を更新しておらず、他社が同一又は類似の商標を登録したとしたら、他社のその商標登録を取り消すことはできないのでしょうか? 商標を取り消す方法は3つあります。
商標異議申し立てとは、商標広報発効後2カ月以内に誰でも商標の登録の取り消しを申し立てできる制度です。申し立て後、特許庁の3人審査官の合議で、登録商標の要件について再度審査をします。
登録異議申立書と証拠を提出する書面審査の手続きで、口頭弁論はありません。特許庁の審査に間違いがないかを確認する意味が強いためです。異議申し立ての結果も早期に出るため、異議申し立ての証拠が揃っている場合などには有利といえるでしょう。
商標登録無効審判とは、登録商標の取り消しを利害関係人が特許庁に請求できる制度です。請求権者が利害関係人に限定されていますが、請求期間の制限はありません。無効請求後、特許庁の審査官の合議で結論がでることや無効を示す証拠の提出は変わりませんが、当事者対立の意味が強く、口頭弁論の手続きもあります。
口頭弁論など議論の場が設けられるため、早急に結論が出ない場合もあります。また、口頭弁論があるため、商標の取り消しを求める人にとって有利に働かない場合もあります。
情報提供は、商標が登録される前に商標登録を阻止するために行う制度です。誰でも無料で行える制度ですが、商標登録の審査が終わるまでに行うことが必要です。審査がいつ終わるか正確な期間は定められていないため、審査官に確認してみるとよいでしょう。
提出する証拠は他の取り消し請求と変わりません。証拠を揃えるのに時間がかかって審査終了までの期間が短い場合は、ある程度の証拠を提出して、後日補充で全ての証拠を提出する方法を検討してもよいでしょう。
2019年の商標異議申立件数は384件です。その成否結果は、一部取り消しを含む取消件数47件、却下を含む維持件数326件、取下放棄件数42件です。2019年の商標登録無効審判の請求件数は88件です。その成否結果は、一部成立を含む請求成立件数41件、却下を含む請求不成立件数25件、取下放棄件数7件です。
このように、特許庁の統計によると商標の取り消しは一般的に難しいといえます。しかし、一部取り消しが認められることで請求する意義をみたす場合も存在しています。